「ダンスと映画」監督へのQ&A VOL.2

松山(2/22)と京都(2/24.25)の上映会が間近となりました!
上映作品の3名の監督宛に、メール形式のQ&Aをお願いしました。
鑑賞前にお読みいただくと一段と楽しめるかもしれません。
真っ白の状態で鑑賞したい!と思われる方は、上映後にどうぞ!

VOL.2  ネイサン・スミス監督作品「坊っちゃん合宿」(2017年)について

Q1、2:愛媛新聞 取材記事より

Q3、4:水野立子 2017年JCDN国際ダンス・イン・レジデンス・エクスチェンジ・プロジェクトvol.7日豪共同制作「坊っちゃん合宿」プロデューサー

 

 Q1:今回は、<JCDN国際ダンス・イン・レジデンス・エクスチェンジ・プロジェクト>として、松山でダンス映画作品をつくりたい監督をオーストラリアで応募をしました。ネイサンが応募した動機は?

アーティストがダンス映画を制作する予算を得ることは、非常に難しいことですが、JCDNがこのような素晴らしい機会を提供しているのを知り、とても嬉しく思い応募しました。世界がデジタル化するにつれ、JCDNが取り組んでいるように、日本や世界に向けてダンスや物語を伝えることを開発し続けることは素晴らしいことです。私はいつも日本のことが、そして、ダンス映画を通じて物語を伝えることが大好きで、その夢がこの度、実現しました。

 

Q2:作品の着想はどのように生まれ、どのような作品になったのでしょうか?

私が以前日本を訪れたとき、 同じ濃い色のスーツを着たサラリーマン達が、電車の駅のエスカレーターにあふれていることに、いつも驚いていました。彼らはいつ自由に休めるのだろう?こんなに大勢の人たちに囲まれていて、どうやったら身動きがとれるのだろうか?と、私はいつも不思議に思っていました。松山のリサーチをしてからめぐり合った漱石の小説「坊っちゃん」の翻訳版を読んだとき、そこに、サラリーマンと似たような感覚があるのでは、とインスピレーションを受けたのです。サラリーマンが昇進に直面したときの道徳性(もしくは教訓?)、私はそのようなものを、小説「坊っちゃん」と、私たちの生きる現代社会の2通りに当てはめて作品を作ってみたのです。

Q3:ネイサンのつくるダンス映画は、代表作「ノック」もそうでしたが、今回の作品もストーリーとダンスという2つの要素が同じくらい重要な役割があると思います。最初に思いつくのは、物語ですか?それともダンスシーンのイメージでしょうか?ダンスと物語の関係をどのように映画の中につくりだしたいと考えていますか?

コンセプトがまず最初にイメージとして表れます。それは時にはダンスのイメージだったり、自分の中でシーンはこうあるべきだというアイデアの時もあります。そこから、物語を通して様々な異なるイメージのつながりを探っていきます。物語ができあがることで、映画の中でどうダンスが展開していくか、もっと深く吟味することができます。脚本を書く時は、キャラクターを演じるのはあくまで役者であって、ダンサーだとは考えていません。自分の作品において、ダンスがなくても物語がしっかりしていれば、演技だけでも問題ないとは思うのですが、それだとつまらないですよね(笑)!ダンスは私の作品のストーリーテリングにおいて重要な要素ですし、元ダンサーの私にとってダンスは言語です。私は物語を言葉ではなく、身体で語るのが好きです。

Q4:猛暑の松山で撮影でしたが、映画が完成してみて、ロケ地を活かせた一番満足しているシーンはどこでしょうか?また、予想していなかった展開や効果が出たと思うシーンはどこでしょうか?

映画全体に非常に満足していますから、一つを選ぶのは難しいですね。ダンスシーンは全部気に入っています。ダンスのスタイルに多くのバラエティがありましたが、全てとてもよく踊られていて、素晴らしい松山のキャストの皆さんのおかげだと思っています。撮影条件はたしかに猛暑のせいで厳しいものでしたが、出来上がりは見事なものだったので、何も変えるつもりはありません!

振付家のマット・ウィルソンとあらかじめシーンを組み立てることができたので、予想外の展開はありませんでした。非常に的確にマットが私のビジョンを捉えてくれて本当に幸せです。編集も重要な要素ですが、ドリュー・モデンが作品のエネルギーを保ちつづける素晴らしい仕事をしてくれました。22分というのはショートフィルムでは長い尺ですから!