概要
本作品は、松山を舞台としたダークコメディ調のダンス映画。充実した日常生活・自由・幸せを犠牲にしてまで働き続ける企業文化に疑問を投げかける。松山を舞台とした日本の文学作品『坊っちゃん』を下敷きに、その独特な文体と小説のテーマを、現代社会におきかえダンスと物語で表現しようとする試み。
撮影は、三津の渡し 旧石崎汽船本社 松山市立三津浜小学校 坊ちゃんからくり時計 松山総合公園 松山城 松山市野外活動センター 伊予鉄道電車内 県庁会議室 萬翠荘など松山のランドマークとなる数多くの名所で行われた。
物語
ヨウジュは東京のエリートビジネスマン。映画は彼が乗った路面電車が小説『坊っちゃん』の故郷である松山の道後温泉駅に到着したところから始まる。
彼は他の4人のビジネスマン、ビジネスウーマン達と特別な週末『坊っちゃん 合宿』 を過ごすために東京からやって来たのだ。
彼らが集合場所の会場に着くと、まず『坊っちゃん 合宿』の紹介ビデオを見せられる。そのユニークで私的な体験を通し、エリートビジネスマンを企業社会のストレスから解放し、子供の頃のような遊び心にあふれた自由な気持ちにさせてようという試みだ。参加者は“坊っちゃん”になり 、子どもの時の遊びやいたずらをする。
成長がうまくできていない若い“坊っちゃん”になることにより、 父親に怒られたり、警察に捕まったりすることを恐れず、のびのびと、衝動的に、かつ、わがままになれることを一時的に追体験するのだ。ビジネスマンの正装から体操着に着替えた彼らは、これから「坊ちゃん 合宿」に向かってゆく。
ホスト役のモエは彼らを無謀で乱暴になるよう促してゆく。台所でのフード合戦から始まり、いくつもの難題を与えてゆく。しかし週末の訓練が続いていくうち、 だんだんと彼らの雲行きが怪しくなってゆく。いつものように、身体的、道徳的、精神的な負担が増えてきたことを感じざるを得なくなってきたからだ。そうなると、誰も最後まで課題をやりとげることができない。そして最後には、小説の主人公『坊っちゃん』がしたように、2階の窓から飛び降りることを要求される。
見どころ
『坊っちゃん 合宿』は、物語が映画をひっぱる一方で、そのボキャブラリーを力強くするダンスが盛り込まれる。訓練の場面では、子どもの資質を思い出させるような若さにあふれた動きを強調した振付をする。この振付が入ることによって、動きに深みが加わり、物語を強化する。身体的な訓練がダンスとして演じられることで、登場人物の身体的・感情的な苦闘をより表現することができる。
語りが入ることで、ダンス映画に親しみのない観客もこの作品にアクセスしやすく紹介することができる。
『坊っちゃん 合宿』は、日本の古典文学をベースにしていることで、海外の観客を映画に惹きつける要素となるだろう。道後温泉や、坊ちゃんからくり時計、総合公園、萬翠荘など松山のランドマークを登場させることで、観客がこの場所での自分の体験を関連づけることができ、この地へ誘うこともできる。
He finds an envelope on his desk, to his dismay the decision on the promotion has been postponed until after the weekend and now his company are sending him away to Matsuyama to attend “Botchan Retreat” for the weekend. Yohju travels from Tokyo to Matsuyama, he just needs to see this weekend out and then he’ll be promoted, he hopes.
Leaving the train and walking through the quiet town he makes it to the retreat headquarters. Here he meets his fellow participants; Yuu, Hiro, Soichiro and Nahoko. They are shown an introductory video hosted by “Moe”, a larger than life character wearing a red suit. Moe explains that they’ll be taking part in activities inspired by the actions of Botchan, the famous character from Natsume Soseki’s book of the same name. The activities are childish and are designed to offer an escape from the stressful corporate culture.
However, the activities soon take a turn and the retreat no longer seems to be the escape they were offered. The participants are left in the hands of Moe, they must make their way through the Botchan Retreat!